2009年9月18日金曜日

何かと話題になる企業の不祥事ですが、先日は鉄鋼業界におけるカルテルが有罪になってしまいました。これは、鉄鋼メーカーが裏で協議して、一斉に値上げしたものです。メーカーにとっては、競争によって価格が下落すると、それだけ体力を消耗しますので、業界で価格を統一するという考えになったのではないかと思います。しかし、これは自由な競争による市場原理をないがしろにするものです。また、鉄鋼を仕入れて使っている末端の販売店にとっては、それだけ負担を増やす事になります。鉄鋼に限らず、サプライチェーンの上流にいる素材系のメーカーは、どうもこのような誘惑に負けてしまうのでしょうか。しかし、今回のケースでは、有罪になった3社には、合計155億円という莫大な課徴金が課せられています。結果として利益を大幅に減らす事になっていますし、企業の社会的な信頼性も失墜させる事になってしまいました。企業のコンプライアンスについては、不祥事が起きるたびにその重要性が言われますが、現実に企業に損失を与える事になりますので、経営者は今一度原点に帰って、コンプライアンスに対する取組を再チェックすべきではないかと、このような事件を見て思いました。


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